真夏の決戦を終え、秋開催となるSUGO戦。9月中旬ながら、サーキットが位置する宮城県は”厳しい残暑”という言葉がふさわしく、レースウィーク中は連日蒸し暑い天候になった。
予選日は、まず午前9時15分に公式練習がスタート。上空に薄く雲が広がる中、気温23度、路面温度25度、そして湿度92%というコンディションになる。また、前夜に降った雨がコース上に残っており、まずはウエット宣言下でのセッション開始となった。
朝から雨は降っておらず、このあと路面コンディションが改善することを見越してか、多くのチームは30分ほどピットで待機。山本尚貴選手がNo.100 STANLEY NSX-GTに乗り込むと、状況確認を行ないながら周回を重ねていった。一方、午後10時23分には、シケインでクラッシュが発生。赤旗が提示され、セッションが一時中断した。
GT300クラスとの混走を経て、午前11時5分から始まったGT500クラス専有枠には、牧野任祐選手が出走。気温27度、路面温度35度とセッション開始から大きくコンディションが変わる中、アタックシミュレーションを行なった牧野選手は1分10秒892のチームベストをマークしてトップに浮上。だが、他車も続々とタイム更新を果たしたため、3番手でこのセッションを終えている。不安定な状況下でもしっかりと速さを出せるパフォーマンスを披露したNo.100 STANLEY NSX-GT。午後からの予選に向けて、いい流れを構築することとなった。
公式練習終了後も気温は上昇、午後からの予選がどのようなコンディションになるか不安要素が尽きなかったが、午後2時20分にはGT300クラスの予選が始まる。なおこの直前、SUGO上空には雨雲が広がって再び雨模様に変わったが、幸い短時間で雨は止み、また急速に路面コンディションも回復。GT300クラスQ1・B組のセッション途中から、スリックタイヤでのアタックが可能となる。
午後3時13分、GT500クラスのQ1がスタート。雨の影響か、気温は26度、路面温度は29度まで下がり、先のセッションとはまた違うコンディションのアタックを強いられる。
No.100 STANLEY NSX-GTのアタックドライバーは山本選手。しばしピットで待機してからコースに向かった。
タイヤに熱を入れ、また前後車両との距離をうまくキープするためにペースをコントロールしながらアタックへと向かった山本選手は、1分10秒675をマーク。公式練習時のチームベストよりタイムを縮めることにはなったが、ライバル勢はさらにタイムを伸ばしてくる。結果、No.100 STANLEY NSX-GTは10番手でQ1を終了。Q2進出が叶わなかったのは、2022年第4戦富士以来。また、Q2進出可能となる8番手とのタイム差は0.093秒という僅差だっただけに、大変悔しい結果でもあった。
Q1を走った山本選手。「朝からクルマの調子は良さそうだったので、Q2に繋げる役目だったがそれができず、ただただ悔しい」と厳しい表情を見せたが、「決勝でしっかりと追い上げたい」と前を向いた。また、牧野選手は「これまでと異なる雰囲気があるので、明日は面白いレースになるのではと思う。僕たちの強みをしっかりと活かしたい」と決勝での躍進を誓っていた。