[更新日:2023/9/21]
今シーズンもシリーズ後半戦に入り、戦いの舞台を宮城・スポーツランドSUGOへと移したSUPER GT。9月17日、第6戦の決勝レースで10位からスタートしたチームクニミツのNo.100 STANLEY NSX-GTだったが、37周へと向かうメインストレートでGT300車両との接触によりクラッシュ。その場で戦いを終えている。
迎えた決勝日も薄曇ながら、じめじめとした空気が重く感じる天気となる。ポツポツと時折雨が落ちることもあったが、前日ような崩れ方はなく、このままドライコンディションで決勝レースの火蓋が切って落とされる。
気温28度、路面温度33度の中で戦いの幕が上がり、コースには強い日差しが差し込む。まず、宮城県警による白バイとパトカー先導によるパレードラップを経て、その後、フォーメーションラップとなり、レースがスタート。ウォームアップ走行では4番手タイムをマークし、快走に期待がかかるNo.100 STANLEY NSX-GTは、牧野選手の手によって戦いが始まることとなった。
シーズン後半の戦いは、各車のコンディションがそれぞれ異なり、互いの”手の内”も然り。また、装着するタイヤメーカーが違えば、特性もさまざま。加えてタイトなSUGOのコースゆえに、ライバル攻略は決して容易くないが、牧野選手はチームの強みを活かしつつ、攻めの走りを続けた。前方との差が縮まった8周目にはラインを交錯しつつの攻防戦を展開し、ポジションを一つ上げる。また26周目にも1台抜いて8位へ。だが、思うようにペースを確保するのが厳しく、チームは状況に変化をもたらそうと、他車に先んじてルーティンのピットインを敢行する。
28周を終えたNo.100 STANLEY NSX-GTがピットイン。牧野選手から山本選手へと交代し、タイヤ交換、給油とすべての作業を39.2秒で終えてピットを離れた。これで一旦はライバルたちと異なる場所でコース復帰を果たすこととなり、理想的なペースアップが可能になれば、さらなるポジションアップも見えてくる。ステアリングを握る山本選手もその思いで周回を重ねていた。
36周を終えた時点でNo.100 STANLEY NSX-GTは8番手。うち、前2台はまだピットインを済ませていないため、実質6番手での走行となる。目前を走るクルマを猛追し、最終コーナーを立ち上がり、メインストレートに向かったが、その直前、ルーティンのピットインを行なうべく、GT300車両がイン側にラインを変えて、さらに内側にいたNo.100 STANLEY NSX-GTに接触。GT300車両の右フロントが当たったことで、No.100 STANLEY NSX-GTはスピンアウトし、アウト側のガードレールにクラッシュ。スピードが出ていた中での接触だったこともあり、クルマのリヤ大半を失うほどの大きなアクシデントとなった。山本選手には意識があったものの、自力で降車できる状況ではなく、ストレッチャーで救急車に。その後、ドクターヘリで仙台市内の病院へ搬送され、検査を受けた。また大事をとって後日、精密検査のため別の病院へ入院している。
チェッカーを目指す中、手応えあるパフォーマンスを披露していたNo.100 STANLEY NSX-GT。思わぬアクシデント遭遇によってその好機が水泡に帰すこととなり、チームの誰もが茫然自失となってしまった。悔しい結果となったSUGO戦だが、気持ちをリセットし、残り2戦の戦いに向けて再びスタートを切らなければない。山本選手の一日も早い全快、レース復帰を願いつつ、チームとしての使命を成し遂げる所存だ。
レースに関してはマシンのセットアップも順調で単独であればペースがいい事もわかったので、アンダーカットを狙いました。その作戦は成功し、ポジションアップが始まった矢先のアクシデントでしたので、非常に残念でなりません。
これでシリーズを諦める事なく次戦もチーム一丸となり、全力で臨みますので応援をよろしくお願いします。そして、山本選手の検査が終了して回復し、元気にサーキットに戻ってきてくれる事を切望しています。