搬入作業が行なわれた前日の金曜日は春の陽気に包まれ、うっすら汗ばむほどの快晴の天気に恵まれた岡山。だが、予選日は朝から細かな雨が降り続け、午前9時10分からの公式練習もウェット宣言が出る中で幕を開けた。気温13度、路面温度14度というコンディションで始まったセッションでは、まず山本尚貴選手がコースイン。すぐに雨量が増えて本降りの雨へと変わったが、開始から30分を過ぎたころには、モス”S”でコースアウトした1台の車両がタイヤバリアに激突。そのまま横向きに車両が回転して着地するという大きなアクシデントが発生した。これを受け、セッションは赤旗が提示され、一時中断に。車両回収が終わると午前10時10分にセッションが再開、のち山本選手から牧野選手へと交代した。
その後も雨は降り続き、コースアウトする車両が続出。結果、午前10時34分には天候悪化による赤旗中断となり、そのままセッションが終了する。No.100 STANLEY NSX-GTのベストタイムは序盤に山本選手がマークした1分37秒839となり、14番手となった。
なお、午後からも雨は降り続く可能性が高いことから、公式予選は当初の予定より走行時間を各5分延長して実施されることになる。これを受け、GT500のQ1予選は午後2時43分スタートへと変更された。だが、これに先立って行なわれたGT300の予選セッションで赤旗中断となったことから、開始時間が遅延。午後2時53分のスタートとなる。
幸い、雨は小康状態となり、路面コンディションは回復。気温14度、路面温度15度と朝の公式練習とほぼ同じ状況でセッションが始まると、牧野選手がコースへと向かう。セッション中盤、タイヤが温まるとベストタイムを更新、残り4分の時点で1分29秒940と真っ先に29秒台のタイムをマークし、トップに立った。このあと、ライバルたちもタイムアップしてトップ争いが展開されると、牧野選手もさらにペースを上げてアタック。1分29秒812までタイムを縮め、2番手でセッションを終了した。
手応えあるアタックを見せたNo.100 STANLEY NSX-GT。午後3時41分からのQ2では、山本選手がアタックに臨んだ。足元には浅溝のウェットタイヤを装着してタイヤを熱を入れていくも、思うように発動しない。その中でも山本選手は時間のある限りアタックのチャンスを伺い、1分31秒717をマーク。結果、翌日の決勝は8番手からスタートを切ることになった。
「Q1を見た感じだと牧野選手がかなり頑張ってくれていたので、いけるかなと思ったのですが”力及ばず”でした。明日はベストを尽くしたい」と山本選手が決勝での健闘を誓うと、Q1で躍進した牧野選手は「朝の状況からするQ1突破は厳しいかと思った」という。「決勝ではいいレースができるようにしっかりと追い上げたい」と意欲を見せた。
天気予報によると、決勝日の天気はほぼ晴れとのこと。ただ途中に降雨の可能性もあるため、不安定な天候に負けないような戦いを見せ、上位入賞を目指すのは言うまでもない。