台風から変わった熱帯低気圧に秋雨前線が刺激され、北陸・東北地方の広範囲にわたって天候悪化に見舞われた。仙台市の南西部に位置するサーキットでは金曜日から雨が降っており、この時点で土曜日に実施予定の公式予選が天候悪化によってセッション中止となった場合は、同日の午前中に実施する公式練習での各ベストラップをもって決勝スターティンググリッドを決定するという申し合わせが行なわれた。
シーズン2度目の富士大会で2位表彰台を獲得したNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT。シリーズランキングでは2位となり、上昇気流のなかで迎えるSUGO戦となる。課せられるサクセスウェイトにより燃料流量リストリクターも2ランクダウンとなることから、高低差が激しいSUGOではライバルよりもパワーに劣るのは必至。しかしながら、与えられた条件下でベストを尽くそうと戦いに臨んだ。
迎えた土曜日は早朝から雨模様。天候回復は難しいと思われることから、どのチームも公式練習から決勝スターティンググリッドを意識した走行に取り組んだ。気温17度、路面温度20度で始まったセッションでは、降り続く雨によってコース上にできた川に足を取られるマシンも続出。開始から30分後には、”雨のため”の理由で2回目の赤旗中断に。この時点で、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは山本選手がドライブし、4番手につけていた。再開から10分ほど経過すると、雨量が減ったタイミングで続々と各車タイムアップ。だが、一方で勢い余った車両がコースアウトし、3度目の赤旗が提示された。これより少し前、山本選手はベストタイムを更新して1分28秒539へとタイムアップ。11番手につけていた。しかし、山本選手から交代した牧野選手がコースに向かった再開後のセッションでは、雨脚が再び強くなり、およそ10分後には4度目の赤旗となる。その後始まったGT300クラス専有走行でも、コースアウトやコントロールを失いクラッシュが立て続けに発生。度重なる赤旗中断を受けてGT500クラス専有走行も含めてすべて中止され、公式練習が終了することになった。
再三にわたる赤旗中断で、タイミングよくアタックすることが極めて困難な状況だったこともあり、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTとっては、思うようにタイムを伸ばすことができずに終わった公式練習になったといえる。結局、午後から天候はさらに悪化。予選開始時刻をディレイさせて実施のチャンスを待ったが、回復は見込めず。午後3時9分、場内に予選キャンセルのアナウンスが響き渡った。これにより、公式練習で記録したベストラップ順に各クラスの決勝スターティンググリッドが決定。No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは11番手からスタートを切ることになった。
結果としてベストラップを刻んだ山本選手は「コンディションがあまりにも良くなかったので辛い一日でしたが、明日のレースに向けてメカニックの皆さんもがんばってメンテナンスをしてくれています。明日はエンジニアと一緒にいいレースがしたいと思っています」とコメントを残している。また、牧野選手も「イレギュラーな一日だったが、観に来てくれているお客さんが一番大変だったと思います」と来場したファンを気遣っていた。