奪還を目指してNSX-GTラストイヤーに挑む
2022年シーズンは、最終戦までタイトル争いに絡む活躍を見せたチームクニミツ。惜しくもタイトル奪還は果たせなかったが、その悔しさを胸に、2023年シーズンはさらに高みを目指して戦いに臨むことになる。
これまで同様、シーズンオフ中は限定カラーリングが施されたゼッケン100のSTANLEY NSX-GT。テスト走行での様子はいつもながらにファンの目を楽しませてきた。一方で、山本尚貴、牧野任祐両選手のタッグも4年目を迎え、より強固なコンビ力となり、チームスタッフとともにタフな戦いに向けて粛々と準備を進めている。
なお、現在SUPER GTでは2030年までにシリーズ全体の二酸化炭素排出量半減を目指した環境対応ロードマップ「SUPER GT Green Project 2030」に取り組んでいるが、その一環として今シーズンからカーボンニュートラルフューエル(以下、CNF)が導入されることになった。チームでは、ホンダとともにこれまでのガソリンとは異なる性能に見合うクルマ作りを進めており、着実にその成果も出ている。ちなみに、ヨーロッパでは2035年を目処にエンジン車の新車販売を全面禁止するとしていた当初の方針を転換することが発表されたばかり。これまでモータースポーツは最新の技術開発に大きく携わりながら活動を行なってきたが、今後はCNFの活用によって環境に配慮した技術やデータのフィードバックも可能となることは、明るい話題だと言える。
さらに、今シーズンからは1大会で持ち込めるタイヤのセット数が変更された。従来よりもドライ・ウエットともに1セット減となるために選択肢が狭まって難しさを極めることになるが、シーズンオフ中にしっかりとレースを想定しながら精度を高めたテストを重ねたことで、本番に備える覚悟だ。
様々な変化が見られる新シーズンでは、タイヤ開発をメインにNSX-GTへ新たなアイデアを投入して開幕戦を迎えることになるが、”進化と新化”を巧みに組み合わせ、NSX-GTラストイヤーにおいてすべてのレースで力強い戦いをし、確実に結果を残していきたい。