予選日が悪天候となり、一切の走行セッションがキャンセルされた「2024 AUTOBACS SUPER GT Round7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE」。決勝日に朝から予選、そして午後に3時間におよぶ決勝を行う”ワンデーレース”として実施され、予選7番手からスタートを切ったNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは、荒れた展開のなかで着実な戦いを続け、4位でチェッカーを受けた。
迎えた日曜日は雨の心配こそないものの、午前8時からスタートする予選を前に、気温10度、路面温度13度という寒さを感じるコンディションに。加えて強く冷たい風が吹き付けるなかでのセッション開始となった。
通常、山本尚貴選手、牧野任祐両選手がそれぞれアタックを行い、その合算タイムを競う予選だが、今回は30分間の計時予選に変更。前日からまったく走行がなかったこともあり、どのチームもひとりのドライバーがアタックを担当する形で進められた。
また、コース上はまだ完全なドライコンディションではないため、ウエット宣言下での予選が始まる。No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTのアタック担当は牧野選手、GT300クラスの予選時はまだ薄い霧が残っていたが、GT500クラスのセッションが始まる頃にはほとんど気にならないくらいまで回復。まず、コースコンディションの確認、さらにはクルマのフィーリングを確かめつつ、周回を重ねた。そして、残り5分を目処ニュータイヤを装着した牧野選手がコースイン。ドライアップし、スリックタイヤでのアタックが可能になるなか、アタックラップで1分34秒049をマークして4番手へ。このままセッションが終わるかに思われたが、他の3台が最終盤にタイムアップを果たしたことで、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは7番手で予選を終了。結果、チャンピオン争いをするライバルたちより前からスタートを切ることに成功している。
予選終了からおよそ2時間半後には、決勝に向けてのウォームアップ走行がスタート。通常の倍の長さとなる40分間のセッションが設けられ、ここでようやく初めて山本選手もクルマやタイヤのフィーリングを確かめ、決勝に向けての最終準備を進めることになった。
午後1時20分、大分県警のパトカーと白バイが先導してのパレードラップ、さらにフォーメーションラップを経て午後1時26分37秒に3時間レースがついに幕を開ける。No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTのスタートドライバーを務めたのは、牧野選手。装着するタイヤの種類や特性によって各車ペースアップが異なるなか、まずはポジションキープでオープニングラップを終了。しかし、徐々にタイヤが温まってくると、サクセスウェイトが軽い後続車が猛追。ひとつ、ふたつとポジションを落とすことになる。だが、前を走る他車もタイヤマネージメントに苦戦しているのか、再びポジション挽回のチャンスが巡り、開始から30分を過ぎた19周目からは6番手で周回を重ねた。
レースは23周目にアクシデントに見舞われた車両の撤去が行なわれ、FCY(フルコースイエロー)を経てSC(セーフティカー)導入となったため、前後車両とのギャップが消滅。28周終了からリスタートが切られたが、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは35周を終えてピットイン。1回目のルーティンワークを行なうと、タイヤ交換、給油に加え、山本選手へと交代。フルサービスを終えてコースに復帰した。
その後もレースは荒れた展開が続き、山本選手がコースインした2周後には2回目のSC導入となり、42周終わりでレースが再開。以後、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは6番手で周回を重ねていく。そして開始から1時間30分の折り返しをポジションキープのまま迎えると、60周終了のタイミングでトップの23号車Zおよび 3番手の12号車Zと同じタイミングでルーティンのピットインを実施。ドライバーはそのままに、タイヤ交換と給油作業を手際よく済ませると、12号車Zより先にコースへ戻ることに成功した。また、その翌周には3回目のSC導入を要するアクシデントが発生。66周終了時のリスタート直後に2回目のピット作業を行なったチームに対し、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTはポジションアップの好機を掴み、3番手へと浮上する。
残り1時間を切るなか、山本選手は23号車を追いつつ、猛追を見せる3号車Zとも応戦。ヒリヒリするような激しいポジション争いを繰り広げ、ファンを大いに沸かせるパフォーマンスを披露。惜しくも86周の第1コーナーで逆転を許して4番手となったが、ポジション奪還を目指してなおも攻めの走りを続けた。ところが残り16分となり、第2ヘアピンで1台の車両がクラッシュ。FCYを経て87周目には4回目のSC導入へと切り替わる。最後の最後、スプラッシュでのレース再開ともなればNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTにとって逆転の可能性もあっただろうが、SC先導中にトラブルが出た別の1台がコースサイドにストップ。これにより、SC先導が解除されることなく3時間が経過。92周のレースとしてチェッカーを迎えた。
表彰台は逃したものの、4位でレースを終えたNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT。シリーズチャンピオンを争うライバルよりも上位フィニッシュを果たせたことは大きな収穫だった。結果、ランキングは3位ながら、トップ36号車Supraとの差は僅か2点に。また、同2位の37号車Supraとは同ポイントへと変わった。残り2戦となった今シーズン、次の舞台はホンダ勢の”ホームコース”であるモビリティリゾートもてぎ。CIVIC TYPE R-GTで迎える初の一戦で、是が非でも好結果を残したい。そして、理想的な形で最終戦の鈴鹿を迎えることが、チームの第一目標だ。
僕らが想定したよりも相対的にサクセスウェイトも重たかったですし、いい結果かなと思います。ドライバーががんばり、ピット作業ではチームスタッフもがんばり、一時的には3位を走っていたことを考えると、表彰台を獲り逃したことはもったいない気もしますが、チームの全員が全力で取り組んだ結果だと受け止めています。
ランキングも2位と同一ポイントでの3位なので、残り2戦をしっかりと戦い、最後は笑って今シーズンを終えられるように全力でがんばりますので、引き続き、応援をよろしくお願いいたします。
表彰台圏内を走っていたのですが、最後は耐えきれずに4位で終わることとなりました。悔しさもありますが、自分たちの条件を考えると、いいパフォーマンスを見せることができたし、残り2戦に繋がるいいレースができたとも思っています。
引き続き、応援よろしくお願いします。
(燃料リストリクター径が3段階絞られる)”3リスダウン”状態でのレースでしたが、ランキングトップの車両より前でゴールできたので、ポイント差も縮まったので、チャンピオンを獲れるよう、残るもてぎ、鈴鹿ではしっかりとがんばっていきたいと思います。
もてぎでは、まだ”燃リス”が残るため、状況的にはまだ厳しいかと思いますが、いい走りをしたいと思います。