チームクニミツ

2024 RD3 SUZUKA GT 3Hours RACE FINAL

ROUND3

2024 AUTOBACS SUPER GT Round3 SUZUKA GT 3Hours RACE

予選日:2024年06月01日決勝日:2024年06月02日
サーキット:鈴鹿サーキット 天候:予選:晴れ/ ドライ  決勝:曇り/ ドライ順位:公式練習:12位 予選:10位 決勝:7位

 はやいもので、今シーズン開幕から3戦目を迎えるSUPER GT。次の戦いが8月上旬になるため、今回は序盤戦の締めくくりに位置するとも言える。チャンピオンシップにおいてより有利な状況を作ろうと、上位フィニッシュを狙ったSTANLEY TEAM KUNIMITSU。予選10位から3時間レースに臨み、7位でチェッカーを受けた。

 

 

 決勝日は、前日から天候が一転。九州地方から本州に伸びる梅雨前線と低気圧の影響を受けて大気の状態が不安定となり、朝から不意打ちのように雨が降った。

さらに、正午からのウォームアップ走行を前にして本降りの雨となり、20分間のセッションはシーズン初のウエットコンディションに変わってしまう。各チームとも、急遽ウエットタイヤの準備に時間を充てなければならず、当初予定していた決勝でのドライセッティングの最終確認ができぬまま、走行を終えることに。チームクニミツとしても、前日の予選結果を踏まえ、決勝に向けて改めてセットアップ改善の作業に取り組んでいただけに、急変した天候にすっかり翻弄されてしまった。

 ところが、スタート進行が始まるとすっかり雨が上がり、土曜日と変わらぬ眩しい日差しが鈴鹿の上空に戻ってくる。各車がグリッドに整列し、開会宣言が行なわれるころにはすっかり路面もドライに。当然のことながらウエット宣言もなく、このあと3時間レースを戦う車両の足元には、前日予選でタフなアタックを行なったユーズドタイヤが装着された。

 午後1時30分、3時間に渡る決勝レースが幕を開け、三重県警によるパレードラップからフォーメーションラップへと向かい、タフな戦いが始まった。No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTに乗って第1スティントを務めるのは、牧野選手。ポジションキープでオープニングラップを終え、前後車両とは僅差での攻防戦を繰り広げる。だが、思うほどのペースが確保できず、徐々に防戦が増えていく。

 開始から1時間を前にしてルーティンのピットインを始めるチームが現れ、レースは慌ただしい状態に。一方、牧野選手は後続の36号車GR Supraと順位を入れ替えながらの激しいバトルに挑み、その後、ほぼスタートから1時間が過ぎた32周終わりでピットインを行なった。ここでは給油、タイヤ交換に加えて山本選手へとスイッチする”フルサービス”を済ませ、コースに復帰。早速に山本選手はすぐさま23号車 Zを逆転し、9番手で周回を重ねていく。

 レースは折り返しを目前に、GT500車両同士の接触で散乱した車両パーツ回収のためにFCYが導入されたが、およそ2分で解除。これを境にして、今度は3号車 Zを追いかける。そして、折り返しの1時間半が過ぎ、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは8番手を走行していたが、このタイミングでFCY導入の原因を作った車両に対してペナルティが出る。山本選手はすでに3号車を逆転していたことから、次なるターゲットを24号車 Zに定めて力走。流れのなかで逆転を果たし、50周終了時点で6番手へと浮上した。この時点で5番手車両とのタイム差は20秒強。まるでひとり旅のような状況ながら、いい流れをキープする山本選手は、引き続き高い集中力をもって周回を重ねた。 

 

 ライバルたちが2回目のピットインに取り掛かったのは、57周あたりから。一方、チームは62周終わりに山本選手をピットに誘導する。この際、チームピットへと向かうなか、作業を終えてコースに復帰しようとした車両に走路を塞がれそうになるというヒヤリとする場面も見られたが、山本選手は落ち着いて対処し、見事トラブルを回避してみせた。なお、ピット作業では1回目と異なり、給油とタイヤ交換のみ済ませると、山本選手がダブルスティントで走行再開。終盤でのポジション浮上を目指してコースへ向かった。

 レースは3時間のゴールに向けて残り時間が30分強に迫るなか、山本選手は引き続き6番手を走行。前方車両との差は変わらず、逆に後続車の17号車 CIVIC TYPE R-GTが迫ってくる。アグレッシブに攻め立てる後続車の動きをしっかりと見極め、封じ込める山本選手。最後の最後まで手に汗握るバトルを繰り広げてチェッカーを目指したが、最終ラップのシケインにおいて惜しくも先行を許すことになり、7位でチェッカーを受けた。

 クルマ、そしてタイヤのパフォーマンスを存分に引き出すことがままならず、難しい戦いを強いられたNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT。だが、山本、牧野両選手はその事態に屈することなく最後まで力を振り絞りながら”熱い”走りを続けた。ただ、大きすぎる悔しさが先行する結果だったことも事実。暫定ランキングは、ホンダ陣営としてトップに立ってはいるものの、王座を狙うためには、さらに高みを目指さなければならない。シーズン中盤での挽回を誓うとともに、第4戦に向けて改めてデータの見直しを重ねつつ、強いクルマ作りに取り組んでいきたい。

 

小島一浩監督

今回、いろいろ苦しい部分が多く、また流れとしてもいいものがなかったように感じました。そのなかでなんとか修正しようとチーム総出で臨みましたが、決勝においても総体的にスピードが足りなかったと受け止めています。第3戦鈴鹿大会、結果は7位でした。予選からパフォーマンスがあまり良くなく、昨晩ずっとみんなで話し合って、車をかなりアジャストして、今日走り始めたんですが、残念ながらそれを実走で確認したかったウォームアップ走行が全部ウェットになってしまい、これがウェットタイヤのスクラブの時間のような形となり、最後のアジャストができず、決勝のペースをもっと上げることやパフォーマンスを上げることに繋げられなかったことが残念だったなと思っています。

ライバー2人も頑張ってくれて、ポジションアップしてくれてましたし、もうちょっと僕らも上を目指したかったんですが、予選10位からのスタートだと、ここまでが僕らの精一杯の力かなと思います。

様々な点で反省することもありますが、次の富士のレースに向けては、多少時間もありますので、みんなでもう一回色々と検証し、富士に向けて最高のパフォーマンスをお見せできるように頑張っていきたいと思います。

引き続き、応援をよろしくお願いします。