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ROUND -6 2016 AUTOBACS SUPER GT Round6 『SUZUKA GT1000km RACE』
序章
 8月27、28日に三重県・鈴鹿サーキットにおいてSUPER GT第6戦「第45回 インターナショナル鈴鹿1000km」が開催された。決勝日は気まぐれに降ったり止んだりを繰り返す雨がレースを翻弄。 TEAM KUNIMITSUのNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTにとっても、本来の戦闘力を発揮するには 厳しい状況であったが、7位入賞で長い戦いを終えている。

 前回の富士戦では決勝での力走が実を結び、粘りある戦いを見せて今シーズン初めての表彰台を手に入れたNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。今大会の鈴鹿戦は、SUGO、富士と続いてきた夏の3連戦最後の戦いとなり、チームとしては前回の流れをぜひ継続させて好成績を残したいところだ。



予選日朝の公式練習では、1分48秒071のチームベストタイムで総合2番手につけ、上々の滑り出し。セットアップを含め、午後の予選では上位を充分に狙える手応えをもってセッションを終えている。


予選:
 午後2時50分、GT500の予選Q1がスタート。気温33度、路面温度43度と、朝の公式練習から急上昇した コンディションの中、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTのステアリングを握ったのは、伊沢拓也選手。各セクターで自己ベストタイムを刻みながら最終セクターに向ったが、シケインのブレーキングでまさかのオーバーラン。刻んだ1分49秒150は13番手どまりとなり、Q2への進出が断たれてしまった。

「走り出しからすごく調子が良く、シケインまではいいペースで来ていました」と伊沢選手。「ところがシケインを止まり切れず、オーバーラン。結果として1秒近くのタイムロスでした。これがなければ山本選手もQ2に行けたし、ポールポジション争いもできたのですが…」と悔しさを滲ませた。「1000kmといっても、今はもうスプリントレースのようなので、コース上で自力で抜いていかないといけない。そういう面では大変ですが、しっかりがんばります」と健闘を誓った。

一方、アタックチャンスが巡ってこなかった山本尚貴選手。「朝のセッションでは微調整を続け、最終的にいいパフォーマンスが出せるところまできました。いい流れの中で、チームとしてQ1は確実に通過できるという認識があったので、伊沢選手がQ1、僕がQ2でポールを獲りに行く、というシナリオを描いていたのですが…」と、伊沢選手同様の表情を見せた。ただ、クルマは午前中からシケインのブレーキングでリアがロックする傾向にあったといい、それが懸念材料だったことも明かした。「悔しい結果ですが、この気持ちはレースでキチンと戦うことでしか払拭できないので、レースでしっかり戦ってこの気持ちを取り除きたい。着実に走ることも大事ですが、ポジションアップのための攻めの走りも見せ、早い段階から上位を狙っていきたい。クルマのパフォーマンスも高いので、それを強みにしたい」と決勝での好走を誓った。


決勝
 予選日は雨とは無関係だった鈴鹿も、決勝日は朝から雨模様となる。加えて台風10号の影響で、天気を先読みするのが難しく、どのタイミングでどのくらいの雨が降るのか、正直わからない。また、今回は ドライバー交代を含む5回のピットインが義務付けられており、様々な要素を的確に組み合わせることが、ポジションアップのカギを握るものと思われた。

決勝を前に、薄曇りが続く鈴鹿。だが雨は降っておらず次第に路面はドライ方向に。ウォームアップ走行時にはまだスタートで装着するタイヤ選択に悩んでいたが、ダミーグリッドに着いたときの各車両の足下はスリックタイヤが装着されていた。12時30分、パレードランを経て、迎えたスタート。No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTには山本選手が乗り込み、まずはオープニングラップで13番手から12番手へとポジションアップを見せた。山本選手は周回毎に、目の前のライバルを続々と逆転。20周を終える頃には、はやくも7番手で周回を重ねた。

最初のピットインは27周終わり。ライバル達と似たタイミングでの作業となったが、順調に作業を終え、伊沢選手が新たにステアリングを握った。スティント中、3台による激しいポジション争いを繰り広げた伊沢選手。この時点で雨は降っていないものの、気温、路面温度ともに30度を下回っており、タイヤが思うようにパフォーマンスを発揮するのが難しい状態だった。2度目のピットインは52周終了時点。10番手から山本選手が改めて攻めの走りに入った。だが、それから10分もしないうちに、東コース側に との情報が!幸い、 5分程度の通り雨で済んだが、不安定なコンディションの中での走行を重ねていくことになる。

116周を終えた伊沢選手がピットイン。ドライバー交代、給油、そしてタイヤ交換を済ませたNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTがピットを離れる。しかし、ピットロードエンドでスピードを失い、車両がスタッフの手でチームピットへと押し戻されることに。幸い、車中で山本がスイッチ類をリセットするなど、出来る限りの作業を行なったことでエンジンパワーが復活。息を吹き返したNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが、改めてコースへと向った。8番手から追い上げを開始した山本選手だが、またも突然の降雨に遭遇。かなりの雨量にコース上は完全なウェットコンディションとなって足下をすくわれる車両も出たが、しっかりと状況を見極め、7位へとポジションアップを成功させた。

そして迎えた5回目のピットインは145周終わりで実施。雨はところどころで気まぐれに降り続ける状態で、まさにその都度コンディションが変化するという不安定極まりない状況だったが、最後のステアリングを託された伊沢選手は、チームベストタイムをマークする走りを披露。チェッカーまで攻めの姿勢を貫き、結果、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTはHonda勢トップとなる7位入賞を果たし、長くタフな1000kmレースを終えている。

第7戦は、日本を離れタイ・チャーンインターナショナルが舞台となる。日本とは異なる気候、サーキットの特性など、さまざまな「不確定要素」を味方に、善戦を目指す。


高橋国光総監督
今回は何かすっきりしないレースだったと受け止めています。中でもタイヤに苦労したようで、ドライバーふたりもしっかりと戦った気持ちにはなれなかったかもしれないですね。1000kmという長い距離を戦い抜いたあとの満足感が得られなかったかもしれません。チームとして、今シーズンは2度目の富士で表彰台には上がっていますが、総体的には厳しい戦いが続いています。そんな中でも頑張ってポイントをもぎ取るようなレースを重ね、チームとして総合力を活かした戦いをしているので、次のタイ戦こそ彼らのいい笑顔がみたいと願っています。




山本尚貴選手
Honda勢として同じような症状が出ていたと思うのですが、タイヤのピックアップに悩まされ、厳しい戦いになりました。気温、路面温度が想定以上に低かったということも多少原因のひとつになるかもしれませんが、力を発揮することが難しい状況でした。その中でも、ピットインのタイミングで順位を上げるなどいい状態だっただけに、僕の最後のスティントで、ピットアウトのときにエンジンがかからないトラブルが出たことは残念でした。一方、厳しい戦いになってしまう中、完璧とは言い難いですがホンダの最上位でフィニッシュできてポイントを計上できたことは大きいとも思います。ただレースを戦うという点からすれば、7位フィニッシュは悔しい気持ちもあります。


伊沢拓也選手
昨日の予選結果から考えると、決勝でのペースはもっといいものになるだろうという期待がありました。なので、結果だけを見ると悔しさが大きいですね。タイヤのピックアップに悩まされました。この症状が出てしまうと、症状が出ないクルマとの勝負は正直難しいです。そういう意味で、僕らのパフォーマンスを出し切れなかったことが残念です。一方で、そんな状況の中でも、きちんとゴールまで導けたことは大事だったと思います。1000kmという距離を味方につけれられたとは思いますが、もうちょっと色々なチャンスが合っても良かったのかなという思いもあります。


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