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ROUND -4 2015 AUTOBACS SUPER GT Round4 『SUGO GT300km RACE』
序章
 7月23、24日に宮城県・スポーツランドSUGOにおいてSUPER GT第4戦「SUGO GT 300km RACE」が開催され、第3戦オートポリスが熊本地震の影響で中止になったため、およそ2ヶ月半ぶりのレースとなった。梅雨明けを前にした一戦は、薄曇りや小雨のコンディションが先行。難しい条件の中、TEAM KUNIMITSUのNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは装着したタイヤのパフォーマンスに翻弄され、本来の実力をフルに発揮できず。だが、厳しい戦いの中から10位入賞を果たし、ポイントをもぎ取っている。

第2戦富士を終え、このSUGO戦までの間、チームは2度の合同テスト、タイヤメーカーテストに参加。 しっかりと走り込みを行い、シーズン中盤以降の戦いに向けて準備を進めた。シーズン序盤は度重なるトラブルに泣かされてきたが、昨年優勝した場所であるSUGOで弾みをつけて、挽回したいところ。ドライバーはもとより、チームスタッフみんなが志気を高めてサーキット入りすることとなった。 終始薄曇りの空が広がった予選日。気温、路面温度も低く、爽やかというよりも時に肌寒さを感じるほどだった。朝の公式練習では、まず山本尚貴選手がコースレコードを更新する1分11秒057のタイムでトップ へ。先読みするのが難しいコンディションを考慮したタイヤ選択がカギになると、午後からの予選に向けてミーティングを重ねた。


予選:
 ノックアウト予選でQ1を担当したのは、山本選手。気温21度、路面温度26度と、朝の走行時とほぼ同じコンディションでアタック開始となる。コースが狭く、抜きどころも限られるSUGOは、いつも以上に予選での好順位が重要視される。No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTもQ1に重点を置き、まずは山本選手が軟らかめのタイヤでアタックを行なうと、残り2分の時点で1分11秒024をマーク、2番手へ。この後、1台の車両がコースアウトし、赤旗終了となったが、山本選手はすでにアタックを終えていたため、大事には至らなかった。

第2戦富士に続いてのQ2進出となったNo.100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。伊沢拓也選手は、Q1で装着したものよりも硬めのタイヤで出走。ラストアタックで1分11秒571をマークするも、ライバル達と僅差のポジション争いの結果、7番手となった。「朝の走行でトップが獲れたので、Q1でもトップに立ちたかった。それだけに悔いが残る」と山本選手。「決勝でのパフォーマンスが見えているので、ポジティブな気持ちで挑みたい」と前を向いた。Q2担当の伊沢選手は、「もっといい順位で帰ってきたかったが、うまく走れずタイムが伸びなかった」と悔しさをあらわにした。だが、「クルマの調子はいいので、明日は追い上げて、表彰台争いがしたい」と、気持ちを切り替え、昨年同様の躍進を誓った。


決勝
予選日の夜遅くから雨が降り始めた仙台市内。翌朝も霧雨が残り、午前9時からのフリー走行はウェットコンディションでスタートが切られた。ユーズドのスリックタイヤから週末初となるレインタイヤへと交換し、新しいタイヤの皮むきを行なう作業等、決勝が雨になった場合を想定した準備が続く。No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは山本選手、伊沢選手と決勝をシミュレートしながら周回。最後に伊沢選手が1分22秒027のチームベストタイムをマーク、5番手でセッションを終えた。

懸念された雨はその後、しばらく降ったり止んだりを繰り返したが、決勝が近づく午後に入ると、ほぼ止んだ状態に。そして、多くの観客で賑わったスタート直前のグリッド上では、ミストのような雨が僅かに落ちてきたが、午後2時、パレードラップを終え、フォーメーションラップへと突入した スタートドライバーの山本選手は、オープニングラップで早くもNo.15 NSXをパス。また6周目、トップ車両がGT300車両と接触したことがさらにポジションアップとなり、5位からの追い上げを進めていた。ところが10周を過ぎ、100号車のラップタイムが伸び悩むようになる。さらに後方車両との攻防戦で先行を許すなど、何らかのハプニングが発生した模様。実のところ、スタート時に装着したタイヤのコンディションが芳しくなく、存分な走りができない状態だったのだ。今回、スタート時の指定タイヤは、山本選手がQ1で装着した軟らかめのもの。残念ながら、ライバルを猛追するどころかペースダウンの上、防御一方の走りを強いられることになった。

すぐさまタイヤ交換を行ないたいところだが、イレギュラーなピットインをすれば、その時点で大きな遅れを取ってしまう。チームはルーティンのドライバー交代と併せて作業を行なうべく、準備に取り掛かった。今回は決勝レース81周の3分の1にあたる27周終了時点でピットインが可能だが、あろうことかその直前、最終コーナーでGT300車両がコースアウト。26周目からセーフティカーランに、水を差されることになったが、31周のリスタートを待ってNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTはピットイン。後半に向けてしっかりと追い上げできるよう、レースウィークで初装着する硬めのタイヤをセット、伊沢選手を送り出した。

セーフティカー導入により、ライバルとの差が縮まったことをプラス材料に捉えていたチームでは、伊沢選手の追い上げに期待し、見守ることに。しかし、路面コンディションとの関係か、思うほどペースが上がってこない。前車との差は僅かながら、SUGOは抜きどころが少なく、周回遅れのGT300車両が多く混在する中での逆転は極めて難しい。結果、他車のルーティン作業が終わると、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは11番手の走行を続けることになった。

終盤に入り、ペースアップを見せ始めたNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。チャンス再来かと思われたが、74周目、レースは思わぬ形で動くことになる。最終コーナーで再びGT300車両がコースアウト、スポンジバリアが散らばるアクシデントとなり、赤旗中断に。一旦、コース上に全車両が整列し、再スタートを待つことになったのだが、その後、レースコントロールの判断でこのまま終了が決定した。なお、伊沢選手はこの時点で11番手を走行していたが、ペナルティ未消化だった7番手走行中の車両に対して37秒の加算が行われ、結果、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは10位フィニッシュが確定。開幕戦に次ぐ、1ポイント加算を果たした。

事前のテストで手応えを感じていたSUGO戦ながら、決勝では思うようなレースを展開できなかったNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。レース終了時のドライバー、そしてチームスタッフの喪失感の大きさは想像以上だったのは言うまでもない。この悔しさをバネに、次戦富士では是が非でも再起を図る。


高橋国光総監督
どうしてこれほど色んなことが起こるのだろう、と思わざるを得ない結果でした。去年、優勝したSUGOなので、今年もいい結果を期待して楽しみにしていたのですが、結果としてうまく噛み合わないことが多く、今回はタイヤにトラブルが出てしまい、特にドライバーには可哀想なことをしました。激しい戦いが続いているので、タイヤ、クルマ、すべてがキチンと揃った状態で戦えるようにしなければなりませんね。




山本尚貴選手
タイヤは早くから厳しい状態でした。ペースが上がらず、最初はささくれ状態だったと思いますが、摩耗やピックアップが激しく、これまでに経験したことのない振動がありました。頑張って走りましたが、コース上に留まるのが精一杯での状態でした。正直、どうしてこういう結果になったのかよくわかりません。解決するには時間を要するかもしれませんね。レースの結果としては、伊沢選手が最後まで頑張ってくれて、ポイントが獲れる位置まで戻してくれました。まだウェイトが軽いので、これをチャンスととらえ、残りのレースをしっかり戦いたいと思います。


伊沢拓也選手
僕らはSUGOとの相性が良く、結果も残しているので、決勝でしっかりと挽回しようと思って臨んだのですが、残念です。前半、山本選手はタイヤのピックアップが厳しかったものの、セーフティカーが入り、(前との差が)リセットされたことをチャンスだと受け止めたんです。ところが、実際にはペースが思うほど上がらず、遅れを取り戻せるまでにはなりませんでした。せめてあと1つ2つ、ポジションを上げたかったですね。いい走りができず、悔しいレースになりました。この思いを次の富士にぶつけます。

次戦は8月6~7日に静岡県・富士スピードウェイにて開催されます。 引き続き、皆様のご支援・ご声援をお願いいたします。



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