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ROUND -5 2018 AUTOBACS SUPER GT Round5 FUJI GT 500mile RACE
序章
 8月4、5日、静岡県・富士スピードウェイにおいてSUPER GTシリーズ第5戦「FUJI GT 500MILE RACE」が開催。真夏の長距離レースに挑んだチームクニミツのNo.100 RAYBRIG NSX-GTは、予選9番手からスタートを切るも、決勝では持ち前の粘りある走りでポジションアップに成功。レース中には予想外のハプニングに見舞われることもあったが、最終的には5位でチェッカーを受けている。

今シーズン2度目の開催を迎えた富士スピードウェイでの戦い。5月の大型連休中に行われた第2戦では、予選10位、決勝9位の成績を残している。一方、現在ランキング2位のチームクニミツのNo.100 RAYBRIG NSX-GTは、第4戦までの戦歴により64kg相当のウェイトハンディが課せられている。燃料流量リストリクターの制限との組み合わせで実搭載ウェイトは47kgになるが、長いストレートを持ち、高速サーキットでもある富士のコースでフルにポテンシャルを発揮するのは正直難しい。

まず予選日の午前8時40分から行われた公式練習では、気温28度、路面温度35度の中で予選セットの確認作業を進めつつ、長距離戦になる決勝に向けてタイヤ選択やセッティングの煮詰めなど多くのメニューを粛々とこなしていく。

 なお、GT300クラスとの混走時間では大きなアクシデントを含み、2度に渡る赤旗中断が出るなど落ち着かない状態に見舞われ、また時間の経過とともに気温、路面温度が上昇。終盤のGT500クラス専有走行時には気温は30度、路面は42度を超える厳しい状況となる中、No.100 RAYBRIG NSX-GTは1分30秒839のチームベストタイムを刻み、13番手でセッションを終えることとなった。


予選:
 午後に入るとますます本格的な厳しい暑さがサーキットを覆い始める。ただ、ノックアウト予選Q1のスタートを迎えた頃の気温は31度、路面温度は44度と午前のセッションから若干上昇するに留まった。

午後2時55分に開始したGT500クラスのQ1でNo.100 RAYBRIG NSX-GTのステアリングを手にしたのは、山本尚貴選手。クラス15台中、6番目にコースインした山本尚貴選手はじっくりタイヤを温めると、セッション終了3分前から本格的なアタックを開始。
計測4周目に1分29秒574をマークして暫定トップに浮上。さらにアタックへと挑み、翌周には1分29秒464までタイムアップを果たした。これでほぼQ2進出を手に入れたと思われたのだが、チェッカーが出た後にフィニッシュラインを通過した他車がタイムアップしたことから、No.100 RAYBRIG NSX-GTはまさかの9番手に。
Q2進出まで僅か0.086秒差という厳しい結果に終わった。

予選を終えた山本尚貴選手は、「クルマのバランスは良かったです。ノックアウト予選でもミスなくアタックできたので、Q2に進めなかったことに関しては残念でした。ただ、クルマは決勝での走りを重視したセットアップで調整を続けているので、分があると思います。きっちりと追い上げのレースができると思っています」と翌日の長距離戦に向けて自信を覗かせた。

一方、Q2でのアタックチャンスに恵まれなかったジェンソン・バトン選手。「ウェイトを考えると、今回僕らは予選でのポジションよりも決勝でいいクルマを用意することが大事でした。幸い、朝の走行では僅かな調整だけでいいクルマに仕上がっています。決勝に向けていい流れがあるので大丈夫」と前向きだった。




決勝
 予選日よりも体感的に暑さを感じた決勝日。
ただ決勝を迎える頃には、時折薄い雲が広がるなど少し不安定な状況に。とはいえ、スタート直前の気温は32度、路面温度は47度と厳しい数値を示していた。

500マイル、177周によって繰り広げる第5戦の戦い。
午後1時30分、No.100 RAYBRIG NSX-GTは山本尚貴選手のドライブによってスタートを切った。今大会ではドライバー交代を含む最低4回のピットインが義務化されていることから、チームでは山本尚貴選手からジェンソン・バトン選手へと引き継ぐ形でルーティンを形成した。
オープニングラップは背後につける64号車のNSX-GTに先行を許したNo.100 RAYBRIG NSX-GT。翌周には、後方につけていた16号車のNSX-GTに前に出られ、11位で周回を重ねていく。

さらに10周を前に背後につけていた17号車のNSX-GTとの激しい攻防戦を展開することとなり、10周目の1コーナーで2台は接触。結果、山本尚貴選手はスピンを喫し、14位までポジションを下げてしまった。オープニングラップから引き続きNSX-GT同士での激しいポジション争いが続くことになったが、幸いダメージもなく再び浮上を目指して粘りの走りを披露し、着実にポジションを挽回した。

最初のルーティンは36周終了時。待ち構えたジェンソン・バトン選手へとスピーディに交代。そつのないピット作業でNo.100 RAYBRIG NSX-GTはコースに復帰、ジェンソン・バトン選手も順調に周回を重ねていた。
だが、50周を過ぎ、No.100 RAYBRIG NSX-GTに対して10秒のペナルティストップが提示される。これは黄旗2本振動の区間だったダンロップコーナーでGT300車両を追い抜いたことが原因。結果、ペナルティ消化のために57周を終えた時点でピットインし、再び10番手から走行を開始した。
以後、No.100 RAYBRIG NSX-GTは75周を終えてジェンソン・バトン選手から山本尚貴選手へとスイッチ。チャンスが巡れば前方の車両を着実に仕留めるという強い戦いを続け、90周目には10番手、さらに92周目に9位まで浮上した。

次なるピットインは113周終了時。
後半戦ともなれば、各車ピットインのタイミングに多少の違いが生じており、No.100 RAYBRIG NSX-GTもまた見えない敵との戦いに挑んでいた。
その中でジェンソン・バトン選手も安定感ある走りを続け、145周で山本尚貴選手との交代を迎えた。
その後、150周を過ぎるとほぼ上位陣の車両が最後のピットインを完了。
あとはチェッカーを迎えるのみとなったが、一方で表彰台圏内の車両にトラブルが発生するなど慌ただしさを見せるようになる。そんな状況の中、No.100 RAYBRIG NSX-GTは5番手で順調に走行を続け、そのまま177周を走破。予選順位から大きくポジションを上げてタフな戦いを終えることとなった。

波乱の展開で途中、ポジションを落とすことになったNo.100 RAYBRIG NSX-GT。
だが、その中でもつねに攻めの姿勢を貫き、5位入賞を手にした。
結果、11点を計上し、シリーズランキングにおいて36号車のLC500と同ポイントの3番手につけている。

次のSUGO大会も、厳しいハンディウェイトを負っての戦いになるのは言うまでもないが、粘りある強さを武器にシリーズタイトル獲得に向けて、アプローチを続けていく。




高橋国光総監督
 今回の長い戦いでは、いい部分と悪い部分がそれぞれ見られました。悪い部分としては、表彰台が見えたのにそれが実現できなかったことです。これはSUPER GTならではの難しさもありますが、できれば表彰台に上がりたかったという思いがありますね。

一方、関係者としてはあれだけ厳しい暑さの中、500マイルという距離を走りながら、レース中には大きなアクシデントもなく、セーフティカーすら出ずに戦い抜いたことをうれしく思っています。また、チームとしてもドライバーはもちろん、それを支えるチームスタッフがみないい仕事をしました。よく頑張ったと思います。チームとしては優秀だったのではないでしょうか。この流れを大事にして、続くSUGO大会をとても楽しみにしています。もちろん、結果にも期待しています。


山本尚貴選手
 レース序盤、ホンダ勢でのバトルが続き、その中で17号車との接触でスピンすることになり、タイムロスしてしまい、またリズムも狂ってしまったので、チームに対して申し訳ないという思いがあります。

一方で、タフな条件の中、レースではクルマ自体ペースも良かったし、調子がいいことが確認できました。ただ、今回の獲得ポイントによって、SUGOではまた燃料リストリクターがさらに絞られることになってしまいます。でもキチンとポイントを重ねて最終戦のもてぎで勝負できるよう、引き続き頑張りたいと思います。


Jenson Button選手
 ダンロップコーナーを走行中、前の車両との兼ね合いでポストの黃旗が見えませんでした。次のポストの黃旗は見えたのですが、僕にとっては完全に死角になってしまいました。とても残念です。

ただ、一旦このペナルティでポジションを落としたものの、最終的に5位までポジションを戻すことができたのは、とても良かったと思っています。ペナルティの後、ここまで挽回できたのはすばらしいことです。
尚貴も僕もうまくリカバリーできて良かったです。それを考えると、今日の戦いは、いい展開だったと思われます。クルマのペースも良かったし、ペナルティを受けて僕らは45秒ほどのタイムロスが出来たのですが、レースを終えるとトップの車両と32秒差でフィニッシュできていたので、これはすばらしいことですよね。

続くSUGO戦もタフな戦いになるでしょうが、僕らのクルマはライバルとのいい戦いができると信じているし、それができたら最高だと思っています。


小島一浩監督
 今回はレース前半でハプニングに見舞われたのですが、長距離の戦いと言う部分で助けられました。シリーズ争いを考えると、ポイントの取りこぼしがなかったことが救いですね。

ただ、レースを振り返って考えると、より多くポイントが獲れる戦いでもあったので、悔しいし、残念でもあります。戦い自体はウェイトハンディを考えてもチームもドライバーも持っている力を存分に発揮することはできました。ペースも良かったですね。準備として取り組んできたことが正しい方向に進んでいたので良かったです。


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