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ROUND -5 2017 AUTOBACS SUPER GT Round5 FUJI GT 300km RACE
序章
8月5、6日、静岡・富士スピードウェイにおいてSUPER GT第5戦「FUJI GT 300km RACE」が 行われ、No.100 RAYBRIG NSX-GTは、クラス最後尾から粘りの走りで8位チェッカーを達成。 厳しい状況の中で、充実のパフォーマンスを披露することとなった。

 前戦からわずか2週間で迎えた今大会。前回の第4戦SUGOで、度重なるSCランによって不運に見舞われたNo.100 RAYBRIG NSX-GTは、この富士戦こそ後半戦に向けてのしきり直しととらえ、是が非でも好成績を手にしたいところ。一方で、サーキット周辺は猛暑となり、レースウィーク中も薄曇りながら蒸し暑さが先行。時折照りつける強い陽射しと相まって、厳しい天候となった。
まず、土曜の朝に実施された公式練習。気温26度、路面温度29度からのスタートとなり、No.100 RAYBRIG NSX-GTではまずセッティングの確認を行うべく周回を重ねる。だが、フィーリングが芳しくなく、併せてタイムも伸び悩む。結果、刻んだタイムは1分31秒061と、GT500クラス最後尾の15番手どまりだった。


予選:
 薄曇りの上空から青空が垣間見れた午後。GT500クラスの予選1回目が午後3時前にスタートする。15分の セッションでNo.100 RAYBRIG NSX-GTのセットがどこまで改善できたのか、期待がかかった。

ノックアウト予選Q1に挑んだのは、伊沢拓也選手。大半のドライバーが残り10分を切ってからコースインを始めたのと同様に、No.100 RAYBRIG NSX-GTもアタックへのアプローチを始めた。タイヤに熱を入れてアタックを行った伊沢選手が刻んだタイムは、1分30秒322。午前のセッションタイムを上回るものだったが、ライバルに対しては決して十分なものとは言えず、15番手のポジションに甘んじた。結果、Q2進出は果たせず、翌日の決勝をクラス最後尾から迎えることになった。

「今朝の走り始めからフィーリングがあまり良くなく、タイムも出ませんでした。前回のSUGOではクルマの状態が良かったので、今回もまず予選で上位を狙えると思っていたのですが…」とアタックを担当した伊沢選手は悔しい表情を見せる。「予選に向けて色々とできることをやりましたが、改善するどころか結果としてはトップとのタイム差が広がりました。決勝に向けて打開策をみつけないといけないですね」と厳しい戦いに向けて、よりいっそう強い意思を持って臨む思いを口にした。

一方、予選アタックの機会に恵まれなかった山本尚貴選手もまた、富士での速いクルマに期待していたという。「オートポリス、SUGOで見せた速さを継続できると思っていました。朝の走行では、クルマとしてのフィーリングはまずまずでたが、タイムが良くなかった。今回は行けるかな…と期待していたのですが」と伊沢選手同様に悔しさがにじむ。「ミデアムとソフト、タイヤを変えても状態が変わらず、正直何が原因なのかまだわかりません。レースまでになんとか見直さないと」と、クルマの改善に期待を寄せた。


決勝
 レースウィーク一番の暑さとなった日曜日。夏休み真っ只中の一戦は、雨こそ降らなかったが、急に濃灰色の雲が上空に広がるなど、不安定な天候となった。

前日の予選の結果を受け、チームクニミツでは様々な改善策を模索。その結果、大幅なセットアップ変更に着手して決勝に挑むという決断を下した。その確認を行ったのが、決勝直前のウォームアップラン。ここで手応えを得たという山本伊沢両選手は、決勝でもそれぞれの担当で申し分のない働きを披露することになる。

まず、スタートを担当したのは伊沢選手。クリアスタートを切り、前方車両へと接近。2周目に逆転を果たすと以後、ひたすらチャンスを伺いつつ、攻めの走りに徹した。20周を過ぎると、ルーティンのピットインを行うチームが現れ始める。が、No.100 RAYBRIG NSX-GTはタイヤのコンディションの安定しており、まだ周回を重ねることができると判断。

ライバル勢との兼ね合いを見て、33周終了時にピットへと帰還した。山本選手へと交代したNo.100 RAYBRIG NSX-GTは、12番手でコースに復帰。早速、目の前を一台を皮切りに、トラブルに見舞われた車両の後退なども合わせ、あっという間に11番手までポジションアップする。さらには、サイド・バイ・サイドによる逆転を見せるなど、力強い走りを見せつけた。そして9位で迎えたファイナルラップ。山本選手はその前から攻防戦を続けていたライバルを最終コーナー立ち上がりで逆転し、8位でチェッカー。伊沢、山本両選手の活躍によって、No.100 RAYBRIG NSX-GTは、貴重なポイントを計上することに成功した。

富士入りし、突然の不調に苦しんだNo.100 RAYBRIG NSX-GT。だが、チームが一丸となって決勝に向けて講じた策が奏功し、ノーミスは当然のことながら、ハプニング等にも巻き込まれることなく走りきることができた。その結果が8位入賞を導くことになったのは言うまでもない。3週間後には大会が最後となる鈴鹿1000kmが待ち受け、気の許さない状況が続くが、あらためて躍進を目指して邁進する。


高橋国光総監督
ここ2戦ほど、ツラい戦いが続きました。なので今回はいい結果を残すことができて良かったと思います。一方で、予選で15番手に留まってしまったのは残念。まだ見直さなければいけないところがあるのだと思います。伊沢選手がスタートし、山本選手がチェッカーを受けるまでの働きを振り返ると、それぞれが自身のカラーを活かした走りを見せてくれたと思います。よくがんばってくれました。これからのシリーズ戦に向けて、チームに与える相乗効果も大きいかと思います。みなさんには、これからも大いに期待していただきたいですね。


山本尚貴選手
予選最後尾になってしまったクルマを見直してくれて、それが決勝では結果的にすごくいい方向に進んでくれました。レース中は、スタートを担当した伊沢選手からもクルマが調子いいという情報を得ていたので、後半に盛り返せるかなと思っていました。実際、抜けたし、途中、ペースが上がらなかったところもあったのですが、最終ラップの最終コーナー立ち上がりでも逆転して、またもう一台抜くことができました。

一方、今大会で同じホンダ勢の8号車NSXが先に優勝したので、悔しい気持ちはあります。ただ、いい戦いはできたと思うし、しかも不調からの戦いの中で徐々に良くなってきたので、鈴鹿に向けてもいい材料になりました。次の鈴鹿はチャンスがあると思います。最後の1000kmで優勝したいですね。


伊沢拓也選手
 昨日がもっと前の予選順位だったら、正直、展開が変わったのかもしれませんが、今回はちょっと苦しい中から立ち直り、光が見えたと思います。ちゃんとポイン トを獲ることもできたし、ドライバーとしては同じNSX-GT車両で戦う8号車に先に優勝されて悔しい部分もあるのですが、その悔しさを次につなげないと。一方で、昨日の状況から今日、キチンとレースをして終われたとことは良かったと思います。

ウォームアップでは、昨日のクルマの状態よりずっと良くなっていることがわかりました。セッティングを大きく変えたことでそのアジャストも多少決勝を見据えてできたし、それがレースペースとして良く、順位を上げることにつながりました。山本選手もうまく順位を上げてくれました。タイヤもピックアップせずに走ることができました。去年のタイ戦以来、久しぶりに普通に走れました。

 


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