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ROUND -2 2017 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJI GT 500km RACE
序章
 5月3、4日、「FUJI GT500km Race」が静岡県・富士スピードウェイにおいて行われた。ゴールデンウィーク中の一戦とあって、5万8千人という多くの観客が来場した。今シーズン2戦目の戦いとなったNo.100 RAYBRIG NSX-GTは、予選9番手から躍進を果たし6位でフィニッシュ。次につながる戦いを繰り広げた。

 開幕戦は、決勝レース序盤の時点で車両トラブルに見舞われ、戦列を去るというまさかの出来事に遭遇したチームクニミツ。厳しい結果を受け入れた後、4月中旬には大分・オートポリスでのタイヤメーカーテストに参加することで気持ちを切り替え、併せて富士戦の準備を粛々と進めてきた。

高速サーキットで知られる第2戦の舞台となる富士では、なんとしても結果を残したい…。そのためにはひとつひとつのステップを着実に進んでいくことが重要と、自分たちが置かれた状況をしっかりと把握しながらセッションに挑んだ。まず、朝の公式練習で持ち込みの富士仕様のセッティングや選択したタイヤの状況を確認。気温14度、路面温度21度でスタートしたセッションは、強い陽射しが出て急激に数値が上がる一方、冷たい風が吹き付けるなどなかなか難しいコンディションだったが、その中で山本尚貴選手が少しずつタイムを削り、予選に向けての準備を順調に進めていった。

セッション開始から1時間少しが過ぎたころ、GT300車両がメインストレートでタイヤをバーストさせ、ピットロード出口先のガードレールに激しくヒット。セッションは赤旗中断となり、車両回収などの作業でおよそ15分走行時間が削られる。結果、GT300クラスとの混走セッションがこのまま終了し、残念ながら伊沢拓也選手の走行も予定より大幅に少ない5周ほどに留まった。その後、GT500専有走行になってから山本選手がチームのベストタイムを更新。1分29秒537をマーク、No.100 RAYBRIG NSX-GTは5番手につけることとなった。


予選:
 午後3時にスタートしたノックアウト予選Q1。気温18度、路面温度27度という公式練習終了間際とほぼ似通ったコンデイション下でアタックが始まった。当初の想定よりも気温が低く、タイヤの発熱に時間を要するという考えからか、全15台の車両が通常より早めのタイミングでコースイン。タイヤに熱を入れる一方で、他車とタイミングがかち合わないようアタックラップに向けて間合いを取りはじめた。ライバルたちが徐々に計測を開始する中、No.100 RAYBRIG NSX-GTのアタッカー、山本選手は少し遅めにアプローチを開始。

まずは1分28秒842のタイムで暫定5番手に躍り出た。するとひと足早くアタックに入っていたライバル勢が続々とタイムを更新、ポジションが大きく動き始める。山本選手も負けじとタイムアップを果たし、1分28秒674まで縮めるパフォーマンスを見せた。

だが、最後のアタックで伸び代を広げた車両が多く、No.100 RAYBRIG NSX-GTは9番手でQ1を終了。Q2進出可能な8番手の差は、なんとわずか0.023秒。大変惜しい結果で予選セッションを終了している。アタックを終えた山本選手。「朝の公式練習でまずまずの手応えがあり、予選に向けてセッティングをアジャストする程度でした。また、アタック自体もこれといった大きなミスがあったわけでもなく、うまく行ったと思います。しかしながら、Q2進出にはあともうちょっとが届きませんでした」と、開幕戦に続き、Q1通過が果たせなかった悔しさをにじませた。「伊沢選手にQ2のバトンを繋げられなかったという申し訳ない気持ちもあるので、決勝では、レースができなかった開幕戦の分も含め、頑張って追い上げる走りをして最後までちゃんと戦い、ポジションを上げたい」とやる気をのぞかせた。

一方、この日、存分な走行ができずに終わった伊沢選手は「今のクルマの状況を考慮しても、その中でベストを尽くしてくれたと思っています」と予選を振り返った。また自身の走行については、「朝のセッションは赤旗が出たタイミングの影響もあるのですが、あまり乗る時間を確保することができませんでした。開幕戦でレースができていない分、明日の展開もまだわからない部分がありますが、まずはちゃんと走り切って、次につながる戦いができればいいと思っています」と意欲を見せた。


決勝
 迎えた決勝日。前日よりも青空が広がるサーキットには多くの観客が集まり、朝早くから賑わいを見せた。決勝スタートは午後2時10分。まず県警の白バイ、パトカーに先導されてパレードランを行い、翌周にフォーメーションラップがスタート。いよいよ500km、110周にわたる戦いが幕を開けた。

No.100 RAYBRIG NSX-GTのスタートドライバーを務めたのは、山本選手。予選9番手から即座に戦闘モードへと突入。4周目の1コーナーで2台をかわし、7番手に躍り出る。その後も猛追の姿勢を崩さず、安定したペースで周回を重ねていく。なお、今回のレースフォーマットでは、ルーティンワークとして2度のピットインが必要。山本選手は後続との差を広げ、ひたすら前を追う走りに徹し、逆転の好機を伺った。一方、33周を過ぎるとトップ争いの車両が立て続けにピットイン。これを追うように、No.100 RAYBRIG NSX-GTも35周終了でピットへと車両を戻した。

待ち構えたスタッフが手早く作業を済ませ、伊沢選手をコースへと送り出し、セカンドスティントがスタート。ちょうどこのほかの上位陣も似通ったピットインしており、しばし落ち着かない状況だったが、再び膠着状態に入ると、No.100 RAYBRIG NSX-GTは6番手で後半戦へ向かい、2度目のルーティン作業を73周終了時に行った。

2度目のドライブとなった山本選手。ポジション争いを繰り広げる中、1分31秒台前半のタイムをコンスタントに刻み続け、申し分のないレース運びを見せる。だが、終盤に入ると前後車両との間隔が広がり、攻防戦を繰り広げるまでには至らず。一方で、山本選手はチェッカーまでハイペースをキープする好走を披露。結果No.100 RAYBRIG NSX-GTは、今季初入賞となる6位フィニッシュを果たすこととなった。

第3戦オートポリスは、事前のタイヤテストでの走行データもあり、レースへの準備にも大いに期待が持てる。第2戦を終えた現時点ではレクサス勢の台頭が目立っているが、シーズン序盤でその勢いに待ったをかけるべく、ホンダ勢の一台として逆襲の狼煙を上げたいところだ。


高橋国光総監督
両ドライバーが完璧な仕事をしてくれました。
また、今季から我々と一緒に仕事をすることになったATJのみなさんが、今回の富士で見事な仕事振りを披露してくれました。特にピット作業が素晴らしかったですね。
今回は、懸念だったタイヤの問題もなく、あとはクルマとしてのポテンシャルがさらに良くなればもっといい戦いができると思います。
総合力でしっかりと戦えた一日でした。大変嬉しく思います。


山本尚貴選手
決勝に向け、クルマのセットを見直したというよりも、もともと岡山の決勝の時点から手応えはあったので、チームがその延長線上でここに合わせたセットアップを準備してくれました。

その確認をウォームアップ走行で行いましたが、とても調子が良く、今回も手応えを持って決勝に挑みました。

レースが始まると、思ったほど周りに対して劣っている感じもなく、ペースも良かったと思います。とはいえ、6位という結果に満足はできません。

でも、今の僕たちが置かれている状況を見れば、6位という結果は、敢えて言うなら力を出し切れたかなとは思います。ちょっと時間はかかっていますが、ここからの積み重ねが非常に大事になってくると思うし、応援してくださっている皆さんには待たしてしまって申し訳ないのですが、辛抱強くこの体制で勝てるように頑張っていきたいと思います。

これまでの富士戦を振り返っても、今日はいい戦いができたと思います。


伊沢拓也選手
開幕戦ではきちんと走れなかったのですが、富士では、できることはすべてやれたと思います。

これ以上の結果はなかったと思う反面、トップとは結構離されているので、この現実をしっかり受け止める必要もありますね。ただ自分たちとして、新しいチーム体制の中で一歩一歩進んでいるという確信はあるし、岡山で走っていないので、今回が今季初レースみたいなものでしたが、そこでミスなく戦い抜けたのは良かったと思います。

レース中のピットインのタイミングなどは、ほぼ最初の戦略どおり進めることができたし、きちんと戦えたので、あらためてここからスタートを切っていきたい。次のオートポリスでは今日よりもいい結果を狙っていきたいですね。


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