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ROUND -1 2017 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE
序章
 4月8、9日、岡山県・岡山国際サーキットにおいて「OKAYAMA GT300km RACE」が開催され、2017年SUEPR GTシリーズの幕開けを告げた。レースウィークの岡山はあいにくの薄曇りが続き、不安定な天候が先行。また、レース自体もすっきりしない展開となり、No.100 RAYBRIG NSX-GTを送り出したチームクニミツも突如想定外のハプニングに見舞われ、残念ながら結果を残せぬまま初陣を終えている。

  今年、GT500クラス全車が新車となったSUPER GT。チームクニミツでは、シーズンオフに精力的な国内外サーキットでの実走テストをはじめ、さまざまな作業に取り組み、シーズンに向けての準備に取り組んできた。なお、車両には新たな規定が採用され、ダウンフォースが前年比25%減に。これでコーナリングスピードは低減されたが、一方でストレートスピードが伸び、トータルでのラップタイムはさらに速さを増したと言われている。最新の戦闘車両をいかに操るか、また、それに合わせたクルマのセットやタイヤをどう合わせ込むのか、2017年のSUPER GTは、ますます激しい戦いになるものと思われる。

開幕戦の舞台、岡山はコンパクトながらテクニカルなサーキットとして知られる。3月中旬には公式テストが行われており、データを活かしてさらに躍進を果たしたいところ。山本尚貴、伊沢拓也両選手によるコンビも復活3年目となり、信頼性がさらに強化。一新したチーム体制の中で、ふたりの存在が大きなキーを握ることは言うまでもない。

シーズン最初のセッションは、土曜日の公式練習から。まず、山本選手が新たなカラーリングをまとったNo.100 RAYBRIG NSX-GTに乗り込みコースへ。だが、走行中にトラブルが発生。アウトラップを終えた車両はそのままガレージに収まり、すぐ修復作業が始まった。これにより、実走時間の確保が難しくなったため、セッション中は引き続き山本選手がドライブ。セットアップの方向性やタイヤの確認作業を行った。1分19秒412のベストタイムをマークしたNo.100 RAYBRIG NSX-GTは、8番手でセッションを終了。なお、伊沢選手はその後のサーキットサファリの時間帯にコース走行し、クルマのフィーリングを確認している。


予選:
 公式練習中の気温と路面温度の最高値は、それぞれ20度と26度。だが、濡れた路面からのスタートが切られ、セッションはじめにはウェット宣言が出ていた。
その後、路面はダンプ(湿った状態)を経てドライへと変化したが、午後3時には再びウェット宣言が出され、午後3時15分に始まったGT500のノックアウト予選・Q1は、アタックのタイミングを気にしながらのセッションとなる。

スタート時の気温は19度、路面温度は21度、だが陽射しもなく、今にも泣き出しそうな灰色の雲が辺り一面に広がっている。開始から7分後には、GT500車両の全15台がコースイン。No.100 RAYBRIG NSX-GTに乗り込んだ山本選手は、タイヤを温めアタックを開始。

着実にタイムアップし、計測5周目に自己ベストタイム1分19秒089をマークした。だが、Q2進出可能な8番手にわずか0.114秒及ばず。結果、決勝を10番手から迎えることになった。
この日、メインでドライブした山本選手によると、今朝は走り始めの時点から調子がいまひとつ上がらず、予選ではガラリとセットを変えたという。

「やったことに対して悪くはなかったのですが、少し詰めきれなかった部分もありました。その一方でタイム差はQ2進出組と僅かなものだったので、結果論とはいえ、もう少しなんとかしたかった」と悔しさをにじませた。

また、サーキットサファリの時間帯でクルマの確認を行った伊沢選手は、「走ってみて、思ったほどウェイト差(ミッドシップエンジン搭載のNSX-GTは、他車との調整で最低車重が+29kg)はないことがわかりました。 予選順位も、決勝を見据えて選んだタイヤだったからと受け止めています。決勝ではうまく追い上げることも可能ではないかと思います。色んな準備をしてきているので、順位に悲観はしていないです」と頼もしいコメント。

決勝に向け、両選手による粘りある走りに期待がかかった。


決勝
 決勝日も前日同様の薄曇りの朝を迎えたが、夜遅くに降った雨の影響か、吹き付ける風が強く冷たいものとなる。だが、時折穏やかな陽射しに恵まれ、ファンにとってはレース観戦日和になったと思われる。

今年から朝のフリー走行が廃止され、変わりにスタート前に20分間のウォームアップ走行が行われることになったSUPER GT。
チームスタッフは前日のミーティングを受けて作業に勤しむ一方、ドライバーたちは様々なイベントに参加するなど、何かと忙しい時間を過ごす一方、No.100 RAYBRIG NSX-GTは、ウォームアップ走行でNSX-GT勢トップの6番手タイムをマーク。決勝に向けていい流れを作った。

開幕戦ならではの華やかなオープニングセレモニーが終わり、300kmに渡る戦いが刻一刻と近づく。恒例の白バイ先導によるパレードランが始まる中、予選5位のNo.17 NSX-GTがグリッド上で立ち往生。なんとか始動するも、フォーメーションラップ中に再びストップ。ここで隊列を整え直すため、さらに1周フォーメーションが追加される。だが、今度はポールポジションのNo.8 NSX-GTが同じような症状でスロー走行の末に停止。これで赤旗が提示された。出走車両がゆっくりとメインストレート上に戻って整列し直す中、さらにNo.64 NSX-GTが停止。戦いを前にして、NSX-GT勢に急きょ暗雲が立ち込める事態となった。

多くの波乱を見せたレースは、午後2時50分に1周減算の81周でセーフティカーランの先導によるスタートが切られる。8番手から追い上げを見せるNo.100 RAYBRIG NSX-GTは、山本選手がドライブ。ところが6周目に異変が起こる。バックストレートを走行中だった車両がスロー走行となり、そのままゆっくりと停止する姿が映像に映し出されてしまう。折しも、別の場所でGT300車両がクラッシュ。これを受け、セーフティカーが導入されることになった。

その後、ピットに戻ってきたNo.100 RAYBRIG NSX-GT。トラブルの原因解明に時間がかかるため、コース復帰に向けての作業うことはなく、リタイヤという苦渋の選択を下してた。
なお、ホンダは今回のトラブルに対し、電装部品の問題多発と発表。これまでノントラブルのパーツにつき、今回は想定外のトラブルだったとしており、今後は原因究明を行い、第2戦富士に向けて万全の対策を施すとしている。

第2戦富士に向け、与えられた時間はわずか。チームでは、少しでも早く気持ちを切り替え、次なる戦いに挑む。


高橋国光総監督
ため息が出るような状況となってしまいました。こういった恥ずかしいトラブルがウチのチームだけでなく、全てのホンダ系チームに出ることとなったのですから、正直びっくりしています。
まだ原因がはっきりせず、これから究明することになるわけですが、レース早々に、多くのホンダ車がリタイヤするのは、これまで見たこともないです。
今日のようなレースをしないよう、ホンダにはしっかり挽回してくれるよう、対策してもらいたいです。


山本尚貴選手
クルマの調子が良かっただけに、クルマのトラブルは残念です。
レースができなかったので、なんともコメントしづらいんですが、ホンダには対策をしてもらい、次のレースでは上位を走れるようにがんばりたいと思います。 


伊沢拓也選手
開幕戦を迎え、予選から決勝への流れを見て、最終的に僕らが決勝用として選んだタイヤそしてクルマのセットは、フィーリングを含め、レースで追い上げられるという気持ちがありました。それだけにトラブルが出てしまい、ほとんど走らないままレースを終えることになったので残念です。
一方で、これは僕らがシーズンオフにやってきたひとつの結果だということを、しっかりと認識する必要もあるかと思います。
次の富士はまずレースを完走するところから始めるしかないのですが、諦めることなくまた次に向かって準備をしていきたいです。


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